コロナ後遺症

コロナ後遺症外来

新型コロナウイルス感染後に主な症状は回復したにもかかわらず「後遺症」と呼ばれるような症状、あるいは新たな、または再び生じて持続する症状などに悩む患者さんが少なからずみられるようになりました。

一般的にコロナ後遺症は、感染後2~3ヵ月経過しても残存する症状を指しますが、後遺症で苦しむことを放置することはできません。

疲れやすくなった、咳が止まらない、集中力が続かない、抜け毛が酷いなど後遺症でお悩みの方は、1日でも早く治療を開始し不快な症状を取り除きましょう。

コロナ後遺症とは

WHO(世界保健機関)は

「後遺症は新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2ヵ月以上持続し、また他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3ヶ月経った時点でもみられる)」

と定義しています。また、2024年5月の調査報告では、

時間の経過とともに死亡やPASCのリスクが減少していくが、感染によって入院した患者については、健康への悪影響が感染後3年目にも残存していることが示されました。

※参考:令和元年~3年度厚生労働科学研究費補助金
(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)
「栄養政策等の社会保障費抑制効果の評価に向けた医療経済学的な基礎研究」

と発表されています。当院でも、コロナ感染時の肺炎等で入院された後に後遺症で悩む患者さんは症状が重く、入院経験がない後遺症患者さんでも半年、1年以上経過した後でも症状が残り、相談されるケースが少なくありません。

コロナ後遺症があらわれる理由

新型コロナウイルスに感染すると、特に初期の頃のアルファ株の性質上、肺に炎症が起こり咳などの呼吸器症状を引き起こします。

このときサイトカインと呼ばれる物質が分泌されます。サイトカインは体の免疫機能で炎症を抑える働きをしますが、感染量の増加や炎症の長期化、再発することでサイトカインが大量に分泌されるようになり、咳や倦怠感が起こります。
そのため息切れや、体力・筋力の低下なども続発して起ります。

長期間の生体防御反応は、神経も傷つけている可能性があります。現在、後遺症で最も問題なのは脳神経系への影響で、多彩な症状が出る原因の一つです。慢性的な脳内の炎症により、自律神経障害や一部の認知機能障害が生じています。

疲労感やだるさも、中枢神経や末梢神経などの慢性的な炎症で、脳からの信号が筋肉に伝わりにくくなっていることが原因ではないかと言われています。

一方、不安や焦燥感、抑うつなど心理的な要因が背景に存在していることもあると考えられています。

後遺症の症状

新型コロナの後遺症は罹患時から持続する症状と、回復した後、新たに出現する症状があります。

倦怠感・疲労感・関節痛・筋肉痛・咳・痰・息切れ・胸痛・脱毛・記憶障害・集中力の低下・睡眠障害・頭痛・抑うつ・嗅覚障害・味覚障害・腹痛 

その中でも特に多いのが

倦怠感40%、息切れ36%、嗅覚障害24%、気分の落ち込み22%、咳17%、味覚障害16%

となっております。

後遺症は変異株によっても違い、デルタ株では味覚・嗅覚障害が多かったですが、オミクロン株では倦怠感・疲労感や記憶障害・集中力の低下などが多くなってきています。

種類 デルタ株 オミクロン株
症状 嗅覚、味覚障害・脱毛 倦怠感、記憶障害・集中力の低下

倦怠感などの後遺症を和らげる鍼灸治療

コロナ後遺症の治療

鍼灸治療は、後遺症の倦怠感等が軽減します

鍼灸治療をおこなうと、自然治癒力が高まり、各組織の障害された機能が回復します。

もともと後遺症とは、自然治癒力がストップした「もうこれ以上治せません。」という状態です。

治らない固定した症状に対して鍼やお灸を使ってツボに刺激することで体を正しい状態に導いてくれます。その結果、自然治癒力が再び活動を始め、機能回復を促してくれます。

殆どの症状は迷走神経が関わってくる

コロナ後遺症のほとんどの症状は、迷走神経が関わってきます。

迷走神経とは、脳から首を通りほとんど全ての臓器に関わっている、主に自律神経の副交感神経を枝とする神経です。

鍼灸治療は、迷走神経の働きを正常化し、コロナ後遺症の不調を改善することを得意としています。

現在、新型コロナウイルス後遺症に対して確立された治療法はありませんが、後遺症のような不定愁訴こそ鍼灸治療が必要となります。

どこに相談したらいいかわからない方、病院で治療しても改善されない方は2ヵ月、3ヵ月と我慢せず、発症2週間後以降、1日でも早くご相談ください。

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