ぎっくり腰
ぎっくり腰は突然起こります
ぎっくり腰は、ぎっくり腰を経験したことのない人でさえ、日常の何気ない動作で発症し、寝返りや立ち上がることができないくらい痛く生活に支障が出てしまいます。
ぎっくり腰は、医学的には、急性腰痛や腰椎捻挫といわれていますが、重いものを一気に持ち上げようとしたとき、腰をひねったときに何の前触れもなく急に痛みがでてしまうだけでなく、ちょっと手を伸ばしただけでも発症し、一生のうちに何度も、人によっては1年に数回再発してしまうことがあります。
また、ぎっくり腰の中には慢性的な腰痛やヘルニア、腰椎椎間関節症、腰部脊柱管狭窄症など他の疾患が起こっていることがもともとあり、その症状に上乗せしてぎっくり腰をおこし、回復するのに時間がかかってしまうこともあります。何度もこの痛みを経験されている方は、症状があらわれたときの治療だけでなく、普段から予防として治療や生活習慣の改善が必要です。
ぎっくり腰の起きやすい状況
- 顔を洗った時
- 靴下を履こうとした時
- 靴を脱ごうとした時
- 歯を磨こうと手を伸ばした時
- くしゃみをした時
- 咳をした時
- 立ち上がった時
- 重いものを持った時
- 手を伸ばそうとした時
上記の項目を見て当てはまるものはありましたか?
ほとんどの方が、朝、少なくとも午前中にギックリ腰になっています。
そして、ぎっくり腰を経験したことのない人でさえ、日常の何気ない動作で発症し、寝返りや立ち上がることができないくらい痛く生活に支障が出てしまいます。
ぎっくり腰の原因
- 仙腸関節の損傷
仙腸関節とは、骨盤にあります。腰というよりお尻の上あたり、尾てい骨の上の方で、お尻の内側の付け根、背骨の下といったほうがわかりやすいでしょうか。この部分をひねったために、痛みがでるといわれています。また、仙腸関節を損傷してしまうと、骨盤の上にある背筋まで緊張してしまい、痛みが出たり、太ももの後ろや、ふくらはぎにも連動して痛みやしびれが伴ってしまうこともあります。 - 腰椎の損傷
腰椎の損傷の場合は、骨盤の上にある背骨の腰椎部分、つまり腰の中心部に痛みがでるといわれています。こちらの損傷だと、背骨沿いの脊柱起立筋だけでなく、インナーマッスルと呼ばれる深い部分にある回旋筋など背筋が緊張してしまい痛みが出現したり、下肢には、神経根が圧迫されて根性痛というものを起こす痛みと、上記で述べた関連痛を起こす痛みの二通りがあらわれることがあります。 - 筋や筋膜の損傷
背筋や筋膜は傷害された場合、その部分の痛みを感じることになりますが、腰椎や仙腸関節に問題がないと、筋肉や筋膜を損傷していることはあまりないといわれています。ただ、人間は教科書通りに病気が現れることはあまりないので、筋肉だけの痛みとしてあらわれることもあります。
ぎっくり腰の治療
ぎっくり腰は、1~2週間安静にしていれば痛みは引きます。
しかし、急性期を過ぎると、今度は血行障害が起こり、筋肉も硬く冷たくなってしまうため、動かすと痛い、もとのようには柔軟に動かなくなり、更に大きなぎっくり腰を引き起こしてしまうことがあります。
そのため、まずはぎっくり腰を起こした日に炎症を散らす鍼灸治療、その後は病期と症状に合わせて適切な鍼灸治療が必要です。