ともろです
新型コロナウイルス流行の影響から、多くの方の生活スタイルが変化しました。アフターコロナといわれるようになってからも時間が経過しましたが、未だに体に起こる影響は根深く残っています。
例えば、生活スタイルの変化は、運動不足、マクス着用の負担から呼吸器機能の低下から難聴患者さんの急増にもつながっています。
でも不安にならないでください。難聴は回復できる可能性があります。そのことを知って頂くためにも、今日は難聴治療のお話をします。
難聴には原因がいろいろあります。大人から子供まで幅広い突発性難聴、仕事ざかりの人から増えるメニエール病、そして職業病の騒音性難聴、低音障害型感音難聴、年のせいと言われてしまう加齢性難聴などさまざまです。
その中でも、急に難聴やめまいが襲ってくるメニエール病や突発性難聴は早急な治療が必要となります。
ただし、治療と言っても、医療機関で治療の第一選択としているステロイドの点滴や内服薬が効かないことがしばしばあります。この原因の一つに 耳の構造上薬やサプリメントの栄養は届かない仕組みになっていることがあげられます。難聴に対してステロイドが効かなかった場合、特に必要になるのは、難聴専門の鍼灸治療をおこなうことです。
腰が痛い、膝が痛いといった一般的な痛みに対する鍼灸治療とは違い、難聴専門の治療は繊細な技術と知識が必要です。当院では、平成元年より難聴専門の治療を追求しており、特に病院で2週間ほどステロイド治療によって効果のなかった患者さんの治療をおこなってきました。
また、難聴の治療で重要なのは、自身の体の修復力を耳だけでなく全身で向上させてあげること。ここに耳に精通した知識と技術が必要となります。現代医学的と東洋医学的な診断技術と治療法が必要になってきます。
難聴になった原因を耳にスポットをあてるのではありません。耳は原因の結果「損傷」した部位です。なぜ難聴を発症したのか、そしてどうすれば回復するのか考え、適切な治療をおこなわなければなりません。ということで、当院での難聴治療の一例を、聴力検査の結果からご紹介します。
40代女性
発症年月日:2021年3月
初診時:2021年3月
治療前検査表:2021年3月
治療中検査表:2021年4月
治療中検査表:2021年5月
※メニエール病
急に激しいグルグルまわるめまいと同時に右の耳が聞こえなくなりました。
発症4週間経過してから当院へ来院されたメニエール病です。
発症当日から、耳鼻科で2週間通院でステロイド点滴処置。めまいは7割ほど落ち着いたが、聞こえはほとんど変わりませんでした。聴力のレベルは、1対1の会話が成立しない高度難聴。発症4週間と間もないため、聴力回復の可能性が高く当院での鍼灸治療開始。週2回、当院での鍼灸治療後、聴力検査を耳鼻科で実施してもらいました。
結果、日常会話ができる範囲まで聴力が回復、残存していためまいも消失、聴力が正常範囲まで回復していないため鍼灸治療継続しました。
病気全般に言えることですが、だんだん悪くなる症状は治りにくいです。逆に、急に悪くなったものは、早く治療すれば良くなり安い傾向にあります。
病気をお持ちの人、今何をすべきかよく考えてみてください。選択肢の一つにメニエール病専門の鍼灸治療があることを知っていただけたら幸いです。
以上
専門外来|メニエール病