ともろです
2年前の話ですが、コロナ禍後に対面式の学会に参加しました。
いろいろ注意をはらい、頑張って車で神戸まで行ってきました。
今回参加した全日本鍼灸学会は年に1回の行事。今回は、当院でも以前から臨床でおこなっている顔面神経麻痺の治療に対する鍼灸治療の立ち位置を確認するためです。
2011年にまとめられた顔面神経麻痺の治療ガイドラインでは、低周波は禁忌などのざっくりとしたものでした。

2023年に改定された内容の中で、鍼灸治療は、
「予後不良例(重症)に対して麻痺の回復過程で後遺症をいかに軽減させるか」
という位置づけがあります。顔面神経麻痺に対する鍼灸治療は、表情筋の血行改善や神経の回復促進、後遺症を認める場合は
拘縮(こわばり)軽減を目的としています。わかりやすくいうと、治療後のセルフケアを円滑に行えることを重視し
- 個々の表情筋の拘縮の軽減
- 顔面の血流の促進
- 突っ張りや痛みを軽減
- 首から肩のコリ感や違和感の軽減
などがあげられます。
重要なのは、患者さんが日常生活において顔の違和感を気にしないこと、
- 気にしないでしゃべれる
- 気にしないで食事ができる
- 自然な笑顔ができる
ということではないでしょうか。
顔面神経麻痺は、顔の麻痺だけでなく難聴を伴うものもあります。
- 日常のストレスから病気として発症する麻痺
- 怪我など外傷性として発症する麻痺
- 妊娠、出産後の免疫力低下から発症する麻痺
などさまざまです
人はからだが資本です。からだがしっかりしていないと薬も効きません。患者さんの状態に合わせ整え、個々の麻痺に対して細かく直接治療し、再生を誘導するのが鍼灸治療です。
顔面神経麻痺になったら、薬と同時進行で構いません。発病から1日でも早く顔面神経麻痺専門の鍼灸治療をはじめましょう。
以上
専門外来|顔面神経麻痺